カンボジアで唯一、アジアベストレストラン50に選定されたキュイジーヌワットダムナック(Cuisine Wat Damnak)

グルメ界のアカデミー賞とも言われる「世界のベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)」。毎年、世界でナンバー1から50までのトップレストランが発表され、同時に、アジアやラテンアメリカなどの地域ごとのベスト50も発表される。

 

その中の、アジアベストレストラン50のランキングの中で、カンボジアで唯一ベストレストランとして選定されたことのあるレストランがカンボジアの世界遺産アンコールワットの町シェムリアップにあります。それがこの、キュイジーヌワットダムナック(Cuisine Wat Damnak)です。2016年のアジアベストレストラン50にて、43位にランクインしています。

 

今までずっと行きたかったお店だったのですが、いつも予約が取れませんでした。しかし、今回はキャンセル待ちで、運よくディナーに行くことができました。

 

今回のメニューは2種類あり、それぞれ5コース(27ドル)か、6コース(31ドル)で選ぶことができました。(メニューは2週間ごとに変わります)

 

前菜の、カレー風味のパンプキンペースト。

 

メニュー1

発酵大豆とポークベリーとキャベツのサラダ

 

タロイモとマンゴスチンと鴨のスープ

 

パームシュガーで調理した白身魚。ナスとグリーンマンゴーとグリーンペッパーを添えて。

 

スチームしたダークチョコレートケーキ

 

メニュー2

レモングラスでマリネしたシーフードサラダ。ポメロ、睡蓮、ハーブとカシューナッツあえ。

 

ピーナッツとホーリーバジルを詰めたカエル。野草、食用花、生野菜。

 

トンレサップ湖の白身魚。ココナッツのダシをとったワイルドマッシュルームとヤムイモのスープ。

 

牛の頬肉。クレソンと自家製オイスターソース、発酵トマトソースとビーフフロス。

 

モンドルキリ産の茶葉とフルーツのスープ。ライムメレンゲときゅうりのシャーベット。

 

オーナーシェフのヨハネス氏はフランス人。もともと、ボランティアの料理インストラクターとしてカンボジアのNPOで働いていましたが、2005年からシェムリアップのホテルでスーシェフとして働くことに。その後、2011年にこのキュイジーヌワットダムナックをオープンしました。

 

料理は、カンボジア料理にフレンチの技巧を凝らした創作料理。カンボジアの地元の食材をふんだんに活用しているのが特徴。野菜などは地元の生産者から仕入れるだけでなく、あえてまだ他のレストランが見向きもしないような食材を取り入れて、食べる人を驚かせてくれます。例えば、食後の口直しとしてシェフ自らサーブしにきてくれたこのフルーツ。(手前から二番目)

 

 

「これはね、桃のような甘い味がするんだけど、見た目はとてもアグリー(醜い)だから、誰も買わないんだよね。ローカル市場に売ってるんだよ」とシェフは楽しそうに話していました。

 

僕自身、カンボジアに3年半ほど住み、野菜卸の会社で働き、ローカル市場にも何度も足を運びました。しかし、カンボジアのトマトは硬いし、きゅうりも味が薄い。つまり一言で言えば、カンボジア産の食材に対して、マイナスなイメージが付いていました。しかし、これはやはり外国人的な物の見方であり、ある意味カンボジアの食材を見下している、そんな意識があったのかもしれません。しかし、このレストランは、まだまだカンボジアには面白い食材があり、それを美味しく食べる方法はあるのだ、と言っているようで、僕にとって非常に楽しく、新しい発見が多くありました。

 

カンボジア料理を彷彿とさせる味だけれども、そこにはなにか新しい要素が織り込まれていて、それがとても新鮮に感じられる。そんな料理です。

 

その場所に昔からある食材を、その場所で食べる。これがベストな形だ、と頭ではわかっていましたが、カンボジアでこれを体現し、実際に僕が「美味しい」と感じるレストランには出会ったことはありませんでした。しかし、このキュイジーヌワットダムナックはまさにそれを実践し、追求し続けているレストランだと思います。

 

 

もしかしたら、初めてカンボジアを訪れる観光客の方にとっては、それほど驚きのない料理かもしれません。しかし、地元の食材にこだわり、つまり地元の人々や文化を尊重し、それを自身のコンテキストと上手く織り交ぜて一つのメニューとして表現する。それを、カンボジアという国で実践するレストランを、僕はここしか知りません。

 

良いレストランです。

予約は、お早めに。

 

 

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